秘すれば花

f:id:kohnosuke:20110521095507j:image
Canon EOS 5D・EF28-135mm・f5.6・1/400・ISO 100
写真は奈良県橿原市にある「おふさ観音」にて。
このバラをじっと見ていたら、どことなくひっそりと秘密めいたイメージが浮かびました。そこで今日のお題は「秘すれば花」。能を大成させた世阿弥の言葉です。
この言葉、非常にシンプルな一節ゆえ多様な解釈が可能ですが、「すべてを見せない象徴的で意外性のある表現こそが観客の想像をふくらませ、豊かな感動を呼ぶ」というのもそのひとつ。さらに端折ってしまえば「あまり説明しすぎたら、面白くない」という感じでしょうか。
言葉だけでは伝わらない。いたずらにセリフを並べるだけでは人の心は動かせない。そんなメッセージを感じ取り、ときどき思い起こすようにしています。
余談ですが、この「秘すれば花」という言葉自体、説明を抑えた象徴的な表現をしてあって、意味が二重構造になっていることに気付きました。つくづく凄い言葉。