雨の京都で〈7〉〜洗 心

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Canon EOS 5D + SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM
麩屋町通・茶道美術品店の陳列窓。
余計なものはなく、ただ丁重に蘇芳色の布のうえに置かれただけの器。
そこに描かれた一羽の鳥を見ていたら、禅語の「洗心」という言葉が浮かんできました。
洗心とは、予見や固定概念、思い込みやいたずらな期待は洗い流し、
現実に起こったことを受け留められる自由で澄んだこころで居なさい、ということ。
もし自分の気持ちに先入観という曇りがあると、神様からの声である「直感」も見えにくくなるのでしょう。
写真を撮ったあとも、しばらくはその場でこの器をながめていました。
傘に当たる雨音の響きは、時間の流れを静かにしました。