猫の引力

ブラブラ写の途中、アポなしに猫さまに出あう。
そんなとき、私は無条件に猫さまの許へ吸い寄せられるのだ。
撮らせてもらえるなら、ほふく前進してでも。
人目も気にせず、目を逸らさず、しばし膠着状態。
「猫に出会ったら、まずその猫がオスなのかメスなのか考えなさい」と
言ったのは、私が敬愛する写真家の岩合光昭さんだった。
そうすることで、人間も「哺乳類」としての本能が呼び覚まされるという。
そんなことをこの写真のシャッターを押すまでの間、頭で思った。
「パシャ!」
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Canon EOS 5D Mark III + SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM
音に驚いて猫さまは、一目散に姿を消した。
地面に這いつくばった私だけが、そこに残された。
もっと近寄りたかった。
動物としての本能をもっと磨けば、
むこうも私を仲間と思ってくれるだろうか。
修業だな。
京都、押小路通にて。