雨の京都で〈9〉〜父と息子

Canon EOS 5D + SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM
京都駅の構内にて。
おそらくは、お父さんとまだ小さな息子さんなのでしょう、手を握りあってなにか話していました。
子どものいない僕には、すこしうらやましい光景です。
ピーター・ガブリエルの「Father, Son」という歌があります。
その歌詞は、とても詩的で多様な示唆を含んでいます。
英語が堪能でない僕は、歌の意味するところをすべて理解できているわけではありませんが、
「With my dad by my side」と繰り返される歌詞の、言葉の端々から伝わってくるのは、
息子の父への、そして父の息子への愛情。そして次の世代へ伝え、受け継がれること。
この歌を耳にするたびに、もう20年以上前に亡くなった父親のことを思いだします。
寡黙だったけれど、父親のすることはどんなことでも、大きな影響力となって僕の糧となりました。
それは形式ばって「教える」という感じではありませんでした。
子育てとか教育とか、それにはきっと言葉より大切なことがあります。
それはときに「ただ寄り添うこと」であったりします。