蕎麦がき善哉

きのう、友人と一緒に奈良・薬師寺で行われた音楽コンサートに出かけました。
えっ、お寺でコンサート!?ってお思いになるかもしれませんが、いま奈良では「ムジークフェスト・なら」と銘打った音楽イベントが催されており、奈良のあちこちの社寺やホール、カフェや駅前広場などで演奏会が開かれているのです。
私達が聴きに訪れたのは二人の女性演奏家によるハープとフルートの演奏会。
それはそれは、こっくりこっくり眠りに誘われるほど夢のように美しい演奏でしたが、途中、箜篌(くご)という、いわばハープのご先祖様のような古代中国の弦楽器も演奏され、暫し千三百年前のいにしえの音色に浸り、古代のロマンに酔いしれたのでありました。
さて、音楽の色気を楽しんだあとは、やはり食い気でしょう!ということで、薬師寺と唐招提寺を結ぶ道の途中にある、お蕎麦屋さんに入りました。
ここのお蕎麦は福井県のそば粉を使った細打ちの十割そば。私は「ざる蕎麦」を、友人は「辛過ぎないかしら」と不安そうな表情を浮かべながらも「辛味大根のおろし蕎麦」を注文。
そば粉の自然な味わいを堪能しつつ、とても美味しくいただいたのですが、そこで他のお客さんが注文する「おぜんざいください!」の声に、甘味好き、とくにぜんざい大好きの我々ふたりは激しく反応。次の瞬間には声を合わせて「ぜんざいふたつ〜」と頼んでしまっておりました。
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Canon EOS 5D Mark III + SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM〈2枚とも〉
写真がそのおぜんざい。
じつは椀に入っているのはお餅でも団子でもなく、お蕎麦屋さんらしく「蕎麦がき」です。素晴らしい。
淡白な味の蕎麦がきと、ねっとりしたあずきが醸す絶妙のハーモニー。品よく拵えられた日本庭園を眺めつつ、心豊かに安らぐ時間を過ごせました。
善き哉、よきかな。ああ、幸せだなぁ。
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