水面のパレット

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Canon EOS 5D・EF28-135mm・f5.6・1/40・ISO 100

先日、京都は天王山にある大山崎山荘美術館に行ってきました。
ここは建物も立派ですが、秋の色に彩られた庭園もとても見ごたえがあり、どこに目を向けても絵になります。時間を忘れてパシャパシャ乱写!気がつけば、かなりのカット数を撮ってしまっていました。写真は、庭園にある池の水面(みなも)を。
この美術館にはクロード・モネの「睡蓮」が何点か展示されていました。鑑賞するうち、一枚の絵のある部分に小さな違和感を覚えました。睡蓮が浮かぶ池の、その水面に映った景色を描くためにピンク色に近いほど鮮やかなパープルが使われていて、それが些か唐突なものに感じられたのです。果たして、このような色が池に写り込むものだろうか? 何が池の上にあったのだろうか?
モネと自分の写真を対比しようなんて、おこがましいことでは決してないのですが、美術館庭園の池を自分で撮影して、その答えに近づくことができました。写真の中、紅葉の赤と空の青が混ざり合って、ちょうどモネが使った絵具のパープルにそっくりな色になっている部分がある!
水面という自然のパレットで混ぜ合わされる天然の絵具たち。そこに生まれる意外な色彩への驚き。きっとモネもそんな光景に心を奪われ、魔法のような色彩の変幻を追いつづけた人だったのでしょう。